書きためアワード2020

 

ご無沙汰しております。歳末ですね。

って書き出したけど書いてるうちに年明けてました。あけましておめでとうございます。

 

去年は近況報告と音楽の話しかしなかったですね。思想も生活も尽く終わっています。

恒例化しつつある備忘録ももういいかなという気分でしたが、現実が終わっていれば終わっているほど創作物に対するアンテナ感度は良くなるので去年は良いものたくさん聴きました。なのでやります。気が向いたら読んだり聴いたり「あれ良かったよねえ」とか思ってもらえたりしたら嬉しいです。

 

1.遊園地は遠い / シュリスペイロフ

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the pillows山中さわおの主宰するデリシャスレーベル所属のバンド、シュリスペイロフ待望のニューアルバムです。待望とか言いつつも僕はこのバンドには全然ハマっていなくて、シャッフル再生で流れたら聴いたり飛ばしたりするくらいの立ち位置だったのだけれど、今作は2020年の新譜で文句なしのナンバーワンだと思います。

前作までは(そもそもあんまり聴いていないので見当違いのこと言ってたらすいません)どちらかというと穏やかだったり鬱屈としたような曲が多いイメージだったのだけれど、今作は初っ端からロックのテイスト強めでかなり聴きやすいです。かといって元々の世界観を失っているわけでもなく、アルバムを通して付き纏う、部屋の窓からのぞく曇り空みたいな倦怠感と閉塞感に魅了されて狂ったようにリピートしてました。

何よりこの倦怠感と閉塞感が今の特殊なご時世に奇しくもマッチしまくっていて(リリースが2月初旬頃なので直接的な関係は一切ないのだけれど)、このアルバムを聴きたい気分にさせられることが多かったなあと思います。なんかこの感じはまだまだ続きそうなので今年もたくさん聴きます。みんなも必聴です。

 

2.告白 / betcover!!

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これまじでやばかったです。従来の(この人も旧譜はそんなに聴いていないので見当がアレだったらすいません)準フィッシュマンズ的なちょっとメロウで気取ったような印象が#1「NOBORU」から圧倒的熱量で一気にぶち壊されて度肝抜かれました。

続く#2「Tokyo」はまさに僕の大好物な不気味系ポップでこれもたまりません。とにかくこの冒頭2曲のパワーが凄まじく、アルバムの総合力で言えば上述のシュリスペイロフに軍配が上がってますが曲単体で一番良かったものを聞かれたならばこの2曲で迷うレベルです。

以降の曲では件のフィッシュマンズ的な平熱感を取り戻していきますが無論失速するわけでは決してなく、おとぎ話をダウナーにしたようなやや気色の悪いロマンチストのテイストは聴くほど癖になります。必聴です。

 

3. Nonocular violet / 山中さわお

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一昨年に30周年のアニバーサリーを迎えた後、ロングバケーションに入ったthe pillowsですが、当の山中さわおは去年だけで3枚のアルバム(シングルや別名義の作品も合わせると実に8タイトル)も発表し、そのミュージッククリーチャーぶりを遺憾なく発揮していました。

しかしその皮切りとして4月末にMVが公開された楽曲「ヒルビリーは かく語りきからして、30周年の節目を迎えた達成感など微塵も覚えていないような物哀しい虚無感に満ち満ちており、去年リリースされた3作を通してバンドやこのコロナ渦において音楽業界が陥った状況に対する苛立ち・皮肉・失望が強く表れていて、傍から見たら「このおじさん大丈夫か」と心配になるほどです。

でも基本的にこの人は「Please Mr.Lostman」しかり「トライアル」しかり気分が落ちてるときの方が良い曲書ける人なので3枚通してどれも良かったです。全国流通してサブスクでも聴けるのはこの「Nonocular violet」のみなのでこれを挙げましたが、往年のファンはすべて必聴です。

 

4. 夢が覚めたなら / グソクムズ

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シングルなんですけどね、良いので。

モロはっぴぃえんどだけど、良いので。

今年シングル3枚出してましたが全部良いので。

2曲しか入ってないのでそんなに語ることもないけど、良いので。

良いので必聴です。

 

 

おわりです。