『レザボア・ドッグスみたいだね』

 

先週身内に不幸があり、生まれて初めて忌引きというものをとって実家に帰省した。

ちょうど先月帰省をしたばかりだったので街の景色も部屋の間取りもまるで変わり映えはしていなかったがどういうわけか実家には猫が1匹増えていた。

 

黒ネクタイなるものを持ち合わせていなかったので慌ててどこで買えるのかを調べるとコンビニなどにも置いてあるらしいことがわかったので帰路のどこかで購入することにした。

はじめに職場の最寄りの100均に寄ったところ早速黒ネクタイが売られているのを見かけたが「100均のネクタイするのもなあ」と思い購入を見送ると、それ以降はコンビニにも駅の構内のテナントにもユニクロにも、どこに行っても黒ネクタイはおろか普通のネクタイすらも見つけることができなかった。

最後の頼みの綱として実家の最寄りのセブンイレブンに立ち寄ると、紺色に水色のストライプが入ったネクタイだけが売っていて「ないよりはマシか?」と手に取ったが、コンビニのネクタイなんか普段は誰も手に取らないせいかそのパッケージは土埃でひどく汚れていた。

不承不承ながら2,000円を払って買ったその汚いネクタイだが、実家に帰ると普通に黒ネクタイがあったので結局それは封も切らずに実家に置いてきた。

 

通夜の当日、喪服を纏って従兄弟と並んで受付をする僕の姿を見て、母親が『レザボア・ドッグスみたいだね』と言った。

僕はタランティーノの作品はパルプ・フィクションくらいしか通っていなかったし、従兄弟もあんまり映画を観ないのでお互いピンときていなかった。

 

ので、通夜の翌日、母親と二人でレザボア・ドッグスを観ることにした。正直、これまで観た映画の中でも指折りの中に入るくらいに面白かった。

僕は役者にあまり詳しくないのもあり洋画は特に登場人物の顔を覚えられないのだが、その演出も相まって所謂群像劇と呼べるような作品の中では最も感情移入をしながら観れたのが非常に良かった。パルプ・フィクションを観たのも高校生の時とかなので殆ど内容すらも覚えてはいないのだけれど、パルプ・フィクションの時よりもずっと夢中になって観ていたと思う。

あとラジカセ流しながら拷問をするシーンを筆頭に、俺の大好きな漫画の大好きな章『ジョジョの奇妙な冒険 第5部』の元ネタないしは強く影響を与えたであろうシーンが多く、そういうところも観ていて非常に楽しかった。

 

ただ通夜の翌日に母親と一緒に観るような映画じゃあないだろ。