逆毛を立てて ここで踊ろうぜ

 

お題箱シリーズ第3弾。

今回のお題は「シャチの好きなところ」

 

なんで?

 

シャチ?シャチってあの鯱で合ってますか?さかなの?

正直に言ってしまえばシャチなんてものはこれまでの人生で一回見たか見てないかくらいのものなので好き嫌い以前の感情しか持ち合わせていない。ジンベエザメくらいならまだ少しは語る余地もあったものの、シャチについてなんて"白黒でデカい"くらいの情報しか持ち合わせていない。ジャイアントパンダと同じ領域に記憶されている。

 

だからと言ってここで「僕はシャチをあまり知らないので好きなところもありません」と言い切ってこの話を切り上げてしまうのではあまりにも面白みに欠ける。シャチを知らないのであればまずは知る努力をしよう、そうしてシャチのことを知っていくうちに彼らの好きなところがひとつふたつくらいは見つかるかもしれない。

 

 

まずは手っ取り早くGoogleに「シャチ」と打ち込んでみる。真っ先に現れたシャチの画像に早くも僕は目を奪われた。かわいいじゃないか。

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月並みではあるだろうが眉毛のような白い模様が愛着を沸かせる。そして何よりこの大きな口である。大きく開いた口はまるで笑っているようで愛くるしいが、一本一本が鮮明に見える彼らの歯を見るとある種の恐怖心が同時に沸き上がる。この巨大かつ野性味のある恐ろしさを裏返したような茶目っ気のある顔立ちや模様のギャップにやられそうになる。

 

 

そしてそのまま僕はGoogleの検索結果からウィキペディアへと向かった。ここに行けば大体の概念に対する基礎知識は身につけられる。

 

早速目についたのが彼らの英名である。皆さんはシャチを英語でなんというかご存じだろうか。オルカ?それも正しいが、正式な英名は他にあるようだ。

その名を"Killer Whale"という。厨二心がややくすぐられこそしたものの、恐ろしい名前である。日本語にするなら「殺人クジラ」とでも呼ぶべきか。別に人をすすんで殺すわけでもないだろうしなんだか物騒なので「ころしクジラ」ぐらいにしておけばなんとなく愛嬌もあるか。

 

さらに驚いたのが、シャチの中にも大まかに3種類のタイプが存在するということだ。それぞれサイズや模様、体の色などの点で異なった特徴を持っているようなのだが、最近の論文では次のように呼び分けられているらしい。

 

・whale eater killer whale(クジラを喰うころしクジラ)

・mammal eater killer whale(哺乳類を喰うころしクジラ)

・fish eater killer whale(魚を喰うころしクジラ)

 

もうちょっと穏やかな分類はできなかったのだろうか。人間社会で菜食主義者を異なる人種に分類しようものなら大問題になるぞ。

しかし彼ら3つのタイプは全て遺伝子も違っていれば交配もしないらしい。素人目には見た目の区別こそつかないものの、鳩とニワトリくらい違うのだろうか。

 

そして彼らの生態を見ると恐怖心が一層煽られる。シャチは海洋系最強の生物であり、加えてめちゃくちゃ獰猛らしい。しかも知能も高いので捕食の際には奇襲、挟み撃ち等なんでもござれだ。海洋生物に生まれなくて本当に良かった。さらにクリック音と呼ばれる音波を発射して獲物を麻痺させるとかいう技術もあるらしい。ここまで来るともはやポケモンだ。

 

だがやっぱり彼らには茶目っ気がある。たまに陸上でシャチが死んでることがあるらしいが、その原因は陸上のアザラシを捕食したときに、自分が海に戻れなくなることによるらしい、普通にバカ。あと、前述のクリック音を出す際に脂肪によって音波を凝縮するのだが、その脂肪の名前が"メロン"。かわいい。

 

 

 

この記事をちまちま書き進めていたところ、ちょうどツイッターのタイムラインにシャチに関するトピックが流れてきた。

 

ウミガメをくるくる回すシャチ 遊び?それとも教育?(NIKKEI STYLE) - Yahoo!ニュース

野生のシャチが2匹のウミガメをひっ捕らえて海に引きずり込み、30分にも渡ってもてあそんだ挙句無傷で解放したとのこと。

シャチはよくこれをやるらしく、場合によっては殺しておいて食べないみたいなこともよくするらしい。

 

いやそれ一番怖いわ。僕がウミガメなら一生トラウマんなるわ。記事には「解放された2匹のうち、少なくとも1匹は生き延びたようだ」と書かれていたが、もう1匹の末路が気になるばかりだ。

 

 

 

ここまで付け焼き刃の知識をいくつか身につけてみたが、僕が感じたシャチの魅力は「ギャップ萌え」である。

凶暴性と馬鹿でかい体長に恐怖を覚えるもののどこか可愛らしさを感じてしまうような、まるで小さい頃好きだった特撮ドラマの怪獣達のような魅力がある。個性的なデザインもなんなら怪獣のようであるし、100%自然的に生まれたこのデザインにはある種の神秘性すら感じる。

 

いいなあシャチ。画像やネット記事だけで済ませてしまうにはもったいないと思うくらいには彼らを好きになりつつある。

本当はこの記事を書く前に生のシャチを観れるものなら観たかったのだけど、シャチのいる水族館は鴨川と名古屋にしかないらしく流石に腰が上がらなかった。

今は「いつか会いに行けたらいいな」とシャチに思いを馳せている。

 

……

とまあこんな感じで原稿用紙5枚分くらいの思いをシャチに綴ってみたわけですけれども、どうですかね。作文なら及第点じゃないですか?

にわか知識でシャチを語ってしまい申し訳無い気持ちでいっぱいですが、お題の投稿者様のご期待に少しでも添えていればと思います。今度鴨川シーワールド行きましょう。