一行日記

3/1 晴れ

ひとつきの無職を脱却した。だめな気がしてきた。

 

3/2 風

通勤途中に読む本を決めあぐねた結果「こゝろ」を再読するに至る。どんなに素晴らしい小説も映画も間を置いて読み返すとなんだかんださわりぐらいしか話を覚えていない。4分30秒のあの曲ぐらいリピート性の高い名著があればいいのに。

 

3/3 風

今日までチャットモンチーの作詞が全部橋本絵莉子だと思っていた。あの曲もあの曲も、元ドラムの人の作詞だった。それを識ったところでその曲の価値は少しだって揺るがないけれど、チャットモンチーを聴く度にえっちゃん凄ぇやって思ってたので妙にショックではある。フィッシュマンズの「あの娘が眠ってる」が佐藤伸治の詞曲じゃなかったときも同じ気持ちだった。

 

3/5 晴れ

久々に酔い潰れるまで酒を飲んだ。目が覚めたら着ていたはずのカーディガンがなくなって、眼鏡も壊れてた。飲酒とはかくあるべき。

 

3/6 晴れ

生前に「ポイントカードないです」って言いすぎたばっかりに死後地獄で舌を抜かれる人。

 

3/7 月

Tips: 地下鉄仙台駅は仙台市より広い。

 

3/8 晴れ

社内の健康管理の資料に

「青年(~25歳)、壮年・中年(26歳~)」

と記載があり、僕はもういよいよ"壮年"なのだと知らされた。青年である自覚すらあんまりなかったのに酷いや。

 

3/10 酒

歓迎会を開いて頂いた。お店を用意していただいておいて愚痴ることもないのだろうがコースの料理がまるで提供されず、突出しが出てくるまでに実に30分も要した。

その間僕は「空きっ腹に酒を入れて悪酔いしてしまっては大切なみんなからの第一印象がわるくなってしまう」と思いどうにか飲酒を抑え、そうして漸く並べられた天麩羅が皿の中央に小ぢんまりと置かれるのを見て辟易した。「こんなことなら来る前にパンの一つでも食べてくればよかった」と思ってから、学生時代に居酒屋でアルバイトをしていた頃には美味しそうな肴を目前に並べられながら賄いが市販のパンであることに愚痴を垂れていたのを思い出した。

今は美味しそうな肴を目前に市販のパンのことを思い浮かべているのだから皮肉なものだと嘲笑する。そんなふうに薄ら笑いをひとり浮かべる僕をみんな気持ち悪がった。僕はこの先この職場でうまくやっていけるのだろうか。

 

ぜんぜん一行じゃなくなったのでここでおしまいです。